本記事でわかること
NFTは誰でも無料で使える「技術」ですが、触れている人が少ないのが事実。
そんな技術を使ったNFT写真が売れない時の理由と見直すポイントについて本記事でまとめました。
NFT売買の実体験を元に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

NFT写真が売れない7つの理由
NFT写真が売れない理由は主につ考えられます。

それぞれ順番に解説します。
設定金額が高い

NFT写真は1点ものの作品が多くあります。
設定金額が高いことで購入意欲を削ぐ結果になっている場合もあります。
ETHのレートや作品自体の魅力にもよりますが、最初の頃は0.01ETH以上の設定金額ではまず売れません。
NFT化されているとはいえ、知らない作者の写真に手数料を含めて3,000〜4,000円支払って購入するでしょうか。
NFT写真の中で認知度を獲得してからオークション販売や価格を上げていくのが望ましい販売方法です。
まずは作品を低価格でしっかりと売り切り、実績を積み重ねていきましょう。
複数点出品している

NFT写真を発行する際、同一作品を複数点作成していると売れなくなる可能性が高まります。
希少性やオリジナリティがNFTが持つ魅力のひとつなのに、希薄化させてしまうからです。
どちらが価値が高く魅力的に見えるでしょうか?
まとめて複数点写真NFTとして発行できますが、価値の希釈化になるため避けた方が無難です。
認知度が不足している

大抵の場合作品を出品しても、ほとんどの方が出品したことを知りません。
既に注目されている著名人であれば話は違い、一般論として注目を常に集められていない場合は作品をリリースしたことすら気づかれません。
実際に飲食店を開店しても、どんな料理を出すのか、料金はいくらくらいなのかやどこにお店があるのか知られていなければ誰も来てくれませんよね。
まずはこんなNFT写真を出します、価格はいくらですよという作品に対する認知度を獲得していきましょう。
コレクションに統一感がない

写真NFTコレクションのページに、統一感がないことが売れない要因として挙げられます。
あれもこれもと出品者都合でジャンルがバラバラだと、探す手間が増え購入意欲が下がってしまいます。
例えるなら、コレクションページがあなたのアルバム。
あなたのアルバムなのに
が混ざっていたら変ですよね。
コレクションは統一感を持たせるのがいいでしょう。
各種SNSで発信していない

NFT写真を売るためには、各種SNSを活用するのが重要です。
SNSの拡散力は、既に繋がりを持っている人以外にも多数の人に情報を届けられます。
しかしほとんどのNFT作品が目に留まらずに埋もれていってしまっています。
たくさんの人に作品を知ってもらえるSNSは、コストをかけずに発信できる貴重なツールです。
相性の良いTwitterを中心にうまく活用しましょう。
流行から外れている

NFT写真が売れない場合、流行から外れている可能性があります。
なぜなら、NFTにも流行があり逆行するものや流行遅れのものは売れなくなるからです。
2022年に流行したNFTは以下のものがあります。
- PFP(Profile Picture)
- ジェネラティブ(プログラミング大量生成の1点もの)
- 可愛い女の子
- 擬人化動物
流行から外れているものをいくら販売しようにも売れない可能性が高くなるだけ。
リリースする前に、今どんなNFT写真が流行しているのか調査するのが重要です。
市況が悪化している

2023年2月〜5月にかけて、NFTは海外市場を含めて大きく冷え込んでいます。
現在でもまだこの市況から脱却できておらず、冷え込んでいる状況のまま。
追い打ちをかけるようにガス代高騰も続き、購入や転売自体も控える動きに拍車をかけています。
こうした市況状態では、新規でNFT写真をリリースしても販売は難しいでしょう。
NFT写真が売れない時に見直す7つのポイント
NFT写真を売るために、見直すべきポイントは6項目あります。
それぞれ解説していきます。
ETHで出品する
チェーンの展開は、イーサリアムにしましょう。
ビットコインを使ったOrdinalsや、ガス代が安いPolygonは利用者がイーサリアムに比べて圧倒的に小規模。
当然ながら利用者が少なければ、販売チャンスも少なくなります。
OpenSeaを利用すると、費用はかからずにNFTとして出品できるのでイーサリアムチェーンで出品しましょう。
NFTを買ってみる
実際にNFTを買ってみた経験はありますか?
未体験の出来事を伝えるのは難しく、購入者の気持ちが理解できません。
自家用車が欲しいのに、車を購入したことがない友人や店員さんからはアドバイスをもらったり相談しないはず。
実際にNFTの保有経験を踏まえ
これらを意識して写真NFT作品やコレクション作りに活かしてみましょう。
マーケティングを念入りに
意外に抜け落ちているのがマーケティング。
NFT写真以外でも商品を売るための必須項目ですが、ないがしろにしがちなポイントです。
マーケティングは市場調査を意味し、NFT市場動向を分析することで対策を講じることが可能。
現在のNFT市況
どんなNFTが売れているか
どの価格帯NFTが売れているか
NFT写真の似た作品
購入見込みはどれくらいいるか
作品告知期間をどれくらい設けるか
など、販売前に行う施策は無数にあります。
市場調査の結果を踏まえた上で、期待に応えられる作品を販売していきましょう。
作品に統一感を持たせる

NFT写真のテーマやコンセプトを欲張らずに統一しましょう。
あれもこれもNFT写真にしたいという自己欲求実現よりも、購入希望者に「刺さる」コレクションを作るのが先。
「この人のNFT写真コレクション好きだな」
「この構図がいい」
といったコレクションのファンを作ることが重要です。
作風がコロコロ変わってしまっては、作品の幅は広がってもファンを作るのは難しくなります。
最初は統一感を持たせて展開していくのがおすすめです。
オリジナリティを出す
NFT写真は誰でも作れてしまうため、参加ハードルが低いのがデメリット。
どこでもみられるようなありきたりな日常を切り取ったNFT写真は売れない可能性が高くなります。
など、あなたらしさを作品にしっかりと込めていきましょう。
市況を見定める
先述の通り、仮想通貨やNFT市況が悪い時にNFT写真を展開しても売れる可能性は低くなってしまいます。
市況が悪ければまだ現実生活に結びつく特典が少ないNFTに参入するメリットが少ないからです。
市況が悪い中でリリースしても、全くといっていいほど売れません。
企業が手掛けるNFTでも市況が悪ければ売れ残るので、市況を見極めた上でリリースするのをおすすめします。
流行に乗る
後述しますが、「いただきますマン」氏の作品はまさにそのタイミングの流行に乗ったもの。
ブームとなっているタイミングであれば、似たような作品は飛ぶように売れますし人気になる可能性も高くなります。
どのタイミングでどんなものが流行るのかは分かりません。
また流行も常に変化していくものです。
いつでも展開できるように準備を進めておきましょう。
流行に乗るには?
前項目の見直すべき点で「流行に乗る」のが大事と述べました。
流行を見極める具体的なやり方は2つ。
流行を見極める方法
- OpenSeaの「トレンド」をみる
- ランキングツールを分析する

それぞれ解説していきますね
OpenSeaのトレンドを見る
実際に出品するOpenSeaのトレンドから流行を見極めるやり方です。
- OpenSeaにアクセス
- Photographyを選択
- 表示されたTrendingを見る
OpenSeaにアクセスし、「All」から「Photography」を選択してください。


次に、Trendingを表示させましょう。
そのタイミングでOpenSeaのトレンドになっているものが表示されています。

ランキングツールを分析する
いくつかあるランキングツールの中から、おすすめなものを2つ紹介します。
日本のNFTトレンドを追いかけるなら:NFTMarketCap.jp
世界のNFTトレンドを追いかけるなら:Uniq
どちらも、売上ベースでNFTの「今」がわかるランキングサイト。
NFT全体の相場感を見るには参考になるサイトです。
実際に売れたNFT写真事例
ここではNFT写真の販売事例を紹介していきます。
おじさんの自撮り写真NFT
2021年、あるおじさんが自撮りランチ写真をNFT化して発売しました。
結果
・688枚の自撮りランチNFT画像を、1枚0.001ETHで販売
・購入者が200名を超え、わずか半日で688枚すべて完売
・二次流通(転売)が発生し、総売り上げが7.1ETH(約300万円)を超える
という爆発的ヒット!
この方、「いただきますマン」としてYouTubeで投稿していた方。
約2年に渡り、チャンネル登録者数120人のYouTubeに投稿し続けていました。
チャプター画像をNFT化して発売したところ、流行に乗り大ブームに。
後述のインドネシアの学生、ゴザリ氏が売れたわずか2日後にNFTとして発売しました。
NFT販売における流行に乗って大成功した代表例です。
インドネシアの自撮り学生写真
インドネシアに住む大学生ゴザリ氏が自撮り写真をNFT化し販売。
1億円を超える売り上げを記録したのが海外の成功事例として真っ先に挙げられます。
毎日のようにパソコンの前に座って撮影していた自撮り写真が1億円以上で落札・・・
一躍話題になりました。
日本人写真家が800万超え
ナオミ・キャンベル・KAWS・村上隆やTYGAといった著名人とのコラボも実施している人気実力派写真家のRK氏。
SNSフォロワー約75万人を抱えインフルエンサーでもあるRK氏は、自らの写真をNFT化して販売しています。
コレクションの総取引額は、37ETH(約800万)超え。
代表作である「Everyday Life in Taiwan」は1点ものの写真NFT。
15ETH(約500万円)で落札されるなど高い独自性と人気を誇っています。
仮想通貨のモデル犬

ドージ(DOGE)コインという仮想通貨のモデル犬「Kabosuちゃん」の写真がNFTとしてオークションに出品されました。
落札額はなんと4.7億円。落札額はチャリティーに回され、世界中の慈善団体に寄付されています。
もともとKabosuちゃんは保護犬。ブログで写真を公開していました。
その写真を悪用する画像コラージュや無断で商業利用する動きが跡を絶たなかったところ、有志が写真をNFT化してチャリティーオークションに。
結果として4.7億円という超高額落札になりました。
ペット・動物写真分野での高額NFT事例となっています。
日本風景を表現した写真NFT
日本写真家hisa氏による、日本ならではの風景を切り取ったコレクションです。
見慣れた風景から、一風変わったものや遊び心ある写真まで様々。
作品数は39点、総売り上げは約200万。
日本の風景を切り取った作品は日本人のみならず、海外のコレクターも多いコレクションです。
10年前の撮影した写真コレクション

写真家Dave氏による、111台の車写真をNFTにしたコレクション「DRIVE // BY DAVE KRUGMAN」
作品数は111枚で売上高は約2,800万。
車の写真からわかるように、これらは過去10年間に撮影したもの。
昔撮影した写真でも、NFTとして価値を新たに吹き込んで販売できるコレクションの実例です。
1枚の肉体美

2021年に1枚40ETH(約1,800万円)で落札された写真NFTです。
このモデルは世界的ラッパーXXXTentacion氏で、撮影したのは写真家のAimos氏。
Aimos氏は著名アーティストの写真を専門に撮影する写真家であり、SNSフォロワーが3万人以上もいるインフルセンサーでもいます。
NFT写真のはじめかた

実際にNFT写真を出品してみたい
OpenSeaを使えば、いつでも誰でも無料で写真をNFT化して販売できます。
詳しくはこちらの記事にまとめていますので参照してみてください。
NFT写真に関するよくある質問
最後に、NFT写真を売るにあたってよくある質問をまとめました。
写真NFTが売れる適正金額は?
結論、売れれば正解なため高い金額で売れることに越したことはありません。
NFTは実物と異なり破損や劣化と知った心配がないため、つい高値で出品して「いつか売れればいいな」と放置しがち。
しかし出品履歴は誰でもチェックできるため、出品期間が長ければ「売れ残っている」ことがバレてしまいます。

売れ残りはNFTも敬遠されます
特に最初のうちは、0.001ETHなどの激安で販売し完売した実績を獲得するのが先決。
実績や認知度を獲得して集客できるようになってからオークション販売や固定価格を上げて販売額の上値を狙っていきましょう。
画像サイズの制限はある?
OpenSeaでは、1枚あたり1000px(ピクセル)のサイズ制限があります。
1000px(ピクセル)を超える容量をNFT化させると、縦横比を引き継いだ状態で自動縮小されます。
NFTが売れたら税金はかかる?
課税対象となり税金がかかります。
国税庁のサイトに「NFT売却益は所得税となる」と記載されています。
個人の場合、雑所得として20万円までは申告の必要はありませんが、法整備によって今後変わる可能性もあります。
詳しくは情報を追いつつ税理士に相談するなど、対策を忘れずに行ってください。
写真以外にNFTはなにが売れる?
デジタルデータであれば、基本的になんでもNFTにして販売可能です。
などなどデジタルデータであればなんでもNFT化して販売可能。
NFT写真販売を足がかりに次の展開を構想するのもいいかもしれませんね。
NFT写真の出品にいくらかかる?

結論を先に言うと、無料で出品可能です。
OpenSeaを利用することで出品費用をかけずに無料でNFT化して販売できます。
2021年の10月から、OpenSeaではNFT出品が無料で行えるようになっています。
古い情報だと「有料」となっていますが、現在は無料で行えます。
詳しくはこちらの記事にまとめていますので参考にしてみてください。
NFTが売れたか確認するには?
OpenSeaで出品しているNFTが売れたかの確認方法は主に3つ。
OpenSeaからの売上メール
OpenSeaのアクティビティ
Etherscan
売上メールは、OpenSeaにメールアドレスを登録していないと届きませんので注意が必要です。
スマホでNFTはできる?
できます、がおすすめできません。
スマホでNFTがおすすめできない理由は、セキュリティが弱いからです。
フリーWiFiなどセキュリティレベルの低い公共WiFiに接続してしまい、NFTや仮想通貨が盗まれてしまうケースが後を断ちません。
またセキュリティソフトの導入率も低いことから、偽サイトへのアクセスやハッキングにあう確率がパソコンに比べて高いのも問題のひとつ。
ウォレットなどの動作もパソコンに比べて劣るため、正直おすすめはしません。
もちろん、充分な理解と経験を積んでいれば低リスクでできます。
詳しくはこちらの記事にまとめていますので参考にしてみてください。
「NFTを購入したい」とDMが来たら
結論を言うと、無視してOKです。
なぜなら、ほぼ100%詐欺DMだから。
本当に欲しければ取引所(OpenSea)から直接購入しているはずです。
「手数料がもったいないからこちらのサイトに出品して欲しい」
といった類も100%詐欺なのでスルーでOK。
Twitter・インスタ・discordでのDMは絶対に無視してください。
売れないときこそコツコツと
本記事では、NFT写真が売れない理由と見直すべき6つのポイントについて解説してきました。
NFTを購入している日本人は、推定で17,000人程度と市場規模は非常に小さい状況です。
そして2023年5月は冬相場。市況は非常に悪くNFT販売にとっては向かい風。
ですが、今売れないだけで市況が好転すれば風向きも変わってきます。
いつ変化してもすぐに動けるよう、市況が悪くて売れない今だからこそできる手立てを打っていきましょう。