本記事は、NFT売買を700件以上経験してきた体験を元にまとめています。

この記事ではNFTの基礎的な用語を詳しく解説しています。
順番に見ていくことでNFTって何?の疑問が解けるように仕組みを丁寧に解説していますので知識習得にお役立てください。
本記事で解説している用語を再度確認
本記事では以下の用語や仕組みについて詳しく解説しています。
- NFTとは
- ブロックチェーンとは
- 二次流通(転売)
- ロイヤリティの仕組み
こちらの記事ではNFTアートの出品方法について詳しく解説していますので参考にしてみてください。
NFTアートに対するイメージ

NFTアートに対してこんなイメージを持っていませんか?
「画像やアート・イラストなどのデジタル作品をデジタルのまま売買している意味不明な世界」
結論を言うと、これは誤りです。
わたしも実際にNFT取引を始めるまでそう思っていました。
では、どう違うのか?具体的に以下で解説していきますね。
従来のデジタルデータが抱える課題点

スマホやパソコンの中に画像や写真は何枚か必ず入っているかと思います。
それではこの画像や写真はなぜデジタルであっても値段をつけて売れないのでしょう?
答えは、価値がないからですよね。
画像や写真はひとたびネット上にアップロードされれば最後、コピーやスクショ、改ざんされ放題となります。
また著作権も誰がいつ作ったのか・撮影したものなのか証明する術がないので、自分のオリジナル作品で著作権侵害だと主張するのも困難。
無料で使える(コピーできる)ならお金を払ってデジタルデータを保有しなくてもいいですよね。
NFTは従来の課題を解決する技術

NFTは従来のデジタルデータが抱えていた課題点をクリアにした技術。
言い換えればNFTは『アートや画像などのデジタルアイテム』に、『改ざんできない本物・オリジナルと認められた証明書』がセットになったデータです。

でも、それがなぜ高額での売買につながるの?
NFT売買を深掘りする前に、NFTと仮想通貨の違いについて理解すると分かりやすくなります。
NFTと仮想通貨の違い

NFTは『Non Fungible Token』の略称で『非代替性トークン(替えの効かないトークン)』と和訳されます。
先にFT(Fungible Token)を解説すると、FTは交換して使う前提の資産を指します。
お金・商品券・仮想通貨もFTで交換して使うもので、あなたと私が持っているお金同士に違いはありません。
対してNFTはNFTそのものに価値はありませんが、需要と供給のバランスにより価値がつく『均衡価格』により価値(価格)がつきます。
簡単に言えば世界中で「あなただけしか持っていない」1点モノのNFTを、日本人全員が欲したら『価値が高いもの』ですよね。
逆に欲しい人が誰もいなければ、「あなただけしか持っていない」1点モノのNFTであっても無価値となります。
NFT+記録台帳=ブロックチェーン技術

先述のように従来の画像や写真といったデジタルデータは、容易にコピーできてしまい価値や所有権はゼロ。
しかしNFT技術により『本物・オリジナルと認められた証明書』がデジタルデータに紐づくことで、資産価値も誕生しました。
このNFT技術を生み出したのが「ブロックチェーン技術」です。
ブロックチェーン技術については以下で解説していきますね。
ブロックチェーンってなに?
ブロックチェーンとは製造履歴や売買履歴が記載された台帳・帳簿のようなもの。
デジタル上のトレーサビリティだと理解してください。
トレーサビリティとは製造や育成・加工や流通をすべて記録したもの。
デジタルアイテムにもこのトレーサビリティを紐づけたものがブロックチェーンです。
ブロックチェーンは分散型という特徴があります。

分散型?
ブロックチェーンの特徴【分散型】とは
分散型とは、その名のとおり台帳をみんなで保有しあう形。
従来のデータは「サーバー」に保存され、ダウンすると使えずハッキングによる改ざんも悩みの種でした。
分散型は同じデータをみんなで保有しあうので、改ざんするにはみんなのデータを一斉に改ざんしなければならず実質不可能。
また誰かのデータがダウンして使えなくても他の人からデータを補えるので使えなくて困る心配もありません。
これがブロックチェーンの特徴・分散型です。
NFTは結局なんですか?
ここまでの話をまとめましょう。
- NFTによって「本物・オリジナルの1点もの」という証明書がデジタルデータについた
- 替えのないNFTの価値は欲しい人たちによって決められる
- ブロックチェーン技術により改ざんがされないデータをみんなで保有し合える
上記の組み合わせによって爆発的に流行したのが「NFTアート」の分野です。

そのためパッと見ただけではなんでこんなNFTアート(NFTイラスト)に何百万もするのか理解できませんよね。
ですがNFTの価値は『欲しい人たちによって決まる』ので、従来の作品同様「アート」なのかもしれませんね。
NFTアートは何がすごいの?
NFTは
『本物・オリジナルの1点もの』という証明書
改ざんされないブロックチェーンの組み合わせ
から成り立っています。
中でも最初に普及したのがNFTアートのジャンルでした。
このNFTアートの取引誕生で、4つの構造変化が起こりました。

以下で詳しく解説していきます。
「アート」への参入ハードルがなくなった
従来の「アート」は何年もその分野で下積みを経て、作品を発表し続けてようやく芽が出るかどうかの世界。
しかし、NFTの世界では誰でも「デジタルアート」を発表して販売が可能です。
- スマホの無料アプリで作った作品
- 面白い写真や美しい風景画
- 子供が描いたイラスト
などがNFTアートとして販売可能。
最近はAIを活用した作品が販売されるケースも増えており、いつでも誰でも「アート」ジャンルに参入できる世界に変化しました。
ボーダーレスな取引が可能

NFTはインターネット下であれば24時間365日いつでもどこからでも取引が可能。
共通通貨である仮想通貨を用いることで、国をまたぐ取引であってもボーダーレスな取引ができます。
リアル社会で必要な配送や梱包、商品保護などの管理コストも一切不要、支払い完了後に商品がすぐに届きます。
NFTはデジタルの世界で売買や流通全てが完結するので、世界中の人に時や場所を選ばずアプローチできるようになりました。
NFTは差別化して販売が可能
従来の写真やイラスト販売は、実物を保有することから作品クオリティが絶対評価でした。
しかし、NFTの価値は「欲しい人たち」によって決められるため、作品クオリティ以外の評価・価値軸を設けることが可能です。
- 動物保護団体へ寄付
- 地方の特産品保護へ活用
- 伝統文化伝播や育成活動に活用
- 絶滅危惧種保護団体へ寄付
更に購入者特典もNFT以外の特典もアレンジ可能ですね。
- 購入者限定のイベント・オフ会
- NFT保有者のみの割引特典
- スマホやパソコンの壁紙配布
などが考えられます。
NFTは作品のクオリティ以外の箇所で差別化・付加価値をつけて販売が可能ですよ。
マネタイズポイントが増える

NFTは二次流通(転売)されるごとに、クリエイターや運営へ売上の一部が入る仕組みを構築できます。
これをロイヤリティ・クリエイターフィーともいい、ロイヤリティにより複数の収益ポイントが発生するようになりました。
従来、初回販売時のみしかマネタイズポイントはありませんでしたが、NFTであれば継続的な収益化が可能。
取引額の数%が作者に還元されるため、クリエイターの長期的な利益につながります。
ロイヤリティの仕組みを詳しく解説
NFTの特徴を活かした「ロイヤリティ」の仕組みと二次流通を詳しく解説していきます。
分かりやすくするために以下の前提条件で解説します。
- 日本円で表記(実際は仮想通貨・ETHなど)
- マーケットプレイス手数料は0%
- ロイヤリティは10%で設定
- 仮想通貨やNFTを売買する手数料(ガス代)は考慮しない

順番に見ていきましょう
初期販売の構造
まずはクリエイターがNFTを1点1,000円で出品し、Bさんが購入しました。

Bさんは1,000円をクリエイターに支払い、NFTを入手します。

ここまでは通常の売買で特に問題ありませんね。
NFT転売(ニ次流通)時の新たな価値付け
1,000円で購入したBさんはこのNFTはもっと価値があると判断し、2,000円で転売・出品しました。


え?購入金額より高くなっている!?
NFTの特徴で解説したとおり、「NFTは欲しい人が価値(価格)を決める」ため、元値より高く転売(二次流通)されるのはよくあります。
その値段でも欲しければ買われ、逆に誰も購入しなければ値下がりしていきますよ。
ロイヤリティと利益の流れ
Bさんが2,000円で転売出品したNFTですが、Cさんが購入に至りました。

この時CさんはBさんに対して2,000円を支払います。
マーケットプレイスが間に入る形でBさんに1,800円を、クリエイターにロイヤリティ10%となる200円を分配します。
ブロックチェーンの特徴である改ざんできない台帳から、いつ誰が製造して販売開始したのかがわかるため、初期販売のクリエイターに利益が入るようになっています。
ロイヤリティで業界構造も変化する
NFTアートを軸に解説しましたが、デジタルデータの一種である「音楽」も同様に可能です。
通常の音楽は再生数に応じた売上が入りますが、ごく僅か。
そのため、「音楽」領域で生活していくには宝くじレベルの幸運と生き残れるだけの実力を持ち合わせていないと難しい構造でした。
もしNFTを保有している人しか音楽が再生できない技術が確立したら?
トップアーティストが100点限定の音楽NFTを販売したら?
クリエイターが搾取される構造から、NFTを絡めれば直接的にかつ繰り返し収益が発生する構造に変化します。
NFTは業界構造自体が変化する可能性も秘めています。
NFTアートに関するよくある質問
よくあるNFTアートに関する質問をまとめました。

それぞれ解説いたします
NFTアート作成は難しいですか?
結論を言うと、無料で誰でも作成できます。
無料で作成できるアプリが多数リリースされています。
これらを駆使してアート作品を作り、OpenSeaでNFT化するだけ。
NFTの出品代行など使わずに無料で誰でもできるのでぜひチャレンジしてみてください。
こちらの記事でNFTアートの作り方を詳しく解説しています。
NFTアートが売れたら納税必要?
結論を言うと必要です。
NFT売買は課税対象のため、利益が出た場合課税対象となります。
年間20万円までの雑所得として組み込めますが、超えた場合は納税義務が発生します。
税金計算は24時間365日価格変動が起こる仮想通貨とNFT、ガス代計算など非常に複雑。
NFT売買を繰り返し行う際はしっかりと意識しておきましょう。
NFT取引になぜガス代がかかる?
NFT取引に伴う仮想通貨・NFTの移動には、必ずガス代という手数料が発生します。
ガス代はそれぞれの仮想通貨チェーンを保守・稼働している人に支払ういわば利用料。

高速道路の料金と同じだね
24時間変動するガス代はガスナウというサイトでその時のガス代をチェックできますよ。
NFTは開発途上の技術
本記事の要点をまとめます。
- NFTは『デジタルアイテム』に、『本物・オリジナルと認められた証明書』を紐づけた技術
- NFTは需要と供給のバランスにより価値・価格がつく
- デジタルアイテムにトレーサビリティ(製造流通証明)を紐づけたものがブロックチェーン
- ブロックチェーンはみんなで保有しあう分散型という特徴がある
- NFTアートの誕生により4つの構造変化をもたらした
NFTは2020年頃から海外を中心に徐々に広がり、日本では2021〜2022年にかけて流行したまだ新しい技術。
日本国内では18,000人前後しか触れていないと言われています。
NFT技術自体もまだ誕生したばかりのため、今後どのようにして現実社会に組み込んでいくのか開発されている段階です。
デジタルデータであればNFT技術はなんでも活用でき、業界構造をも変える可能性を秘めています。
日本では国家戦略にNFTが組み込まれています。
今のうちにNFTを理解して乗り遅れないように準備しておきましょう。
こちらの記事でNFTアートの売買の始め方を解説していますので参考にしてみてください。